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ヨガ八支則Text Book
5つのコーシャに(鞘サヤ)ついて
私たちの本質はアートマン(自己の根源)です。アートマンは純粋な存在であり、私たちの内で美しく輝く魂のようなものです。しかし、日常生活では自分自身の本性であるアートマンを見ることができません。それは、たまねぎの層のように、コーシャ(鞘)と呼ばれる層で覆われているからです。ヨガの実践は、このコーシャを順に取り除き、内側の真実にたどり着く過程です。
5つのコーシャは以下の通りです。
1. アンナマヤ・コーシャ(食物鞘)
私たちの身体全体を指します。食物から得た栄養によって形成され、物質的な身体を構成する層です。不調になると、食事に対する貪欲さが増し、体調を崩したり、病気になります。
2. プラーナマヤ・コーシャ(生気鞘)
生命エネルギー(プラーナ)の層です。呼吸や消化、循環などの生命活動に関わるエネルギーの流れを指します。不調になると、エネルギー不足を感じたり、心身の不調が現れます。
3. マノマヤ・コーシャ(意思鞘)
思考や感情の層です。私たちが感覚器官を通じて受け取る外部からの情報に基づく思考や感情が含まれます。不調になると、感情が不安定になり、ストレスを感じやすくなります。
4. ヴィジュナーナマヤ・コーシャ(理知鞘)
知性の層です。感情に流されず、正しい知識や判断力を持つ知性の働きが含まれます。不調になると、感情や偏見に囚われて正しい判断ができなくなります。
5. アーナンダマヤ・コーシャ(歓喜鞘)
内なる喜びの層です。私たちの本質であるアートマンを包み込む層で、内なる幸せと満足感が含まれます。不調になると、自分自身の存在に対する感謝や幸福感が失われます。
ヨガの練習は、これらのコーシャを整え、外の世界に向いている意識を内側に戻すことを目指します。
ヤマ・ニヤマ
外の世界への意識をコントロールし、ヨガの実践において自分のコーシャに意識を向ける前に外部の意識を制御します。
アーサナ
体を整えることで、アンナマヤ・コーシャへの意識をコントロールします。
プラーナヤマ
呼吸を通じて、プラーナマヤ・コーシャを整えます。
プラティヤーハーラ
感覚を制御することで、マノマヤ・コーシャを整えます。
ダーラナ・ディヤーナ
瞑想を通じて、ヴィジュナーナマヤ・コーシャを整えます。
サマーディ
自我意識が消え去った状態で、アーナンダマヤ・コーシャに到達します。
まとめ
実践が進むにつれて意識が内側に向かい、心の土台がしっかりとします。
内側の幸福を知ることで、物質的な欲に執着する必要がなくなり、常に幸せでいられるようになります。
内なる幸福を知ることで、自分自身や他者の本質に気づき、感謝の気持ちを持てるようになるのです。
サマーディへの道は、自分自身を浄化するプロセスです。それには、自分自身との対話のみがあります。
毎日のヨガの練習で呼吸に意識をむけ、自分の内側と対話することは、本来の自分(アートマン)を見つけるためのプロセスです。その延長線上にサマーディがあるのです。
今回学んだことを通してほんの少しだけ意識を変えるだけで、ヨガの練習の質が変わってくるので体感してみてください。
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